ラム肉のタジンを秋に作る理由
タジンは北アフリカの蒸し煮料理ですが、使う食材を変えることで季節感を出すことができます。Saffron Lanternの秋のコースで提供している栗とラム肉のタジンは、国産の栗と中東のスパイスを組み合わせた一品です。家庭でも再現できる要素を中心に書きます。
ラム肉の部位と下処理
タジンに向いているのは、コラーゲンが多く長時間の加熱に耐えられるショルダー(肩)やシャンク(すね)です。Saffron Lanternではニュージーランド産のショルダーを使っています。臭みが気になる場合は、ヨーグルトとクミンで一晩マリネする方法が有効です。酸の作用で肉が柔らかくなり、スパイスの香りが内部まで入ります。
栗の下準備と加えるタイミング
栗は皮をむいて半日水にさらしてから使います。アクを抜くことで、スパイスの香りを邪魔しない素直な甘さが残ります。タジンに加えるタイミングは、ラム肉に火が通り始めた中盤以降が適切です。最初から入れると煮崩れて食感が失われます。
神奈川県内で秋に出回る栗は、9月下旬から10月中旬が最も状態がよい時期です。この時期を逃すと、冷凍や水煮の栗を使うことになり、食感と香りが変わります。
スパイスの組み合わせ
クミン、シナモン、コリアンダーを基本に、仕上げにスマックを加えます。スマックはトルコ産のものを使っており、レモンに似た酸味が料理全体を引き締めます。シナモンは多すぎると甘みが強くなりすぎるため、スティック半本程度を目安にしてください。
ハリッサ(北アフリカの唐辛子ペースト)を少量加えると、辛みではなく深みが増します。辛さを抑えたい場合は、種を除いたものを使うか、量を半分にしてください。
タジンは時間をかけるほど味が落ち着きます。翌日に温め直したものが一番おいしいという声も多く、作り置きにも向いています。